「わーい！パンケーキ！パンケーキ！」



（パンケーキであんなに喜ぶんかい…やっすい女やな）



今日の主役は、こいつです。

※ひさ子のお話とは違い、台詞中心です。フリーウィルにむりくり台詞をつけているのでグダグダです。ＴＯＰに記載しております“もしかしてキャラ”が多数登場いたします。キャラ立ちはさせておりませんが気になる方は閲覧をお控えいただきますようお願い申し上げます。







もっつぁは家に居ることがほぼありません。
オス、しかもじじいのくせに若いおにいちゃんが好きなもっつぁは、実はひさ子よりも知り合いが多かったりします。



「みゃー（こいつ…なんか花の匂いしおるで）」

今日はその中の一人、このお兄さんのおうちに遊びに来ました。



「ほーらほら！欲しい？欲しいか？ん？」

「にゃー（コイツちょーだいって言ってみろとか言うタイプやな）」

お兄さんのお家には沢山のお兄さんが住んでいます。



「あれ？もっつぁどこ行った？」

「えー、しらねー。その辺で寝てんじゃね？」

（まさかソファーの下に居るとは夢にもおもてへんやろ。さすがわしやな）


お兄さんたちがなぜもっつぁの名前を知っているかというと、首輪にひさ子の汚い字でもっつぁと書いてあるからです。愛ですね。




（……………飽きたな）



（………あかん、最近何にも引っかいてへんこと唐突に思い出してもうた）

（ひさ子のモンやったらともかく人様んちで暴れるわけには…）






「おいこらっ！何してんだよもっつぁ！」

（あ、あかん！何してんねんわし！で、でも止まらへんでぇ…！）



「あんま悪いことしてっと追い出すぞ？！」

「あーあ…あんなにして…」

（く、くそっ…わしとしたことが感情をコントロールできひんやと？！）



「なんだよ騒がしいな、どした？」

「俺おしっこしたかったのにうるさいから引っ込んじゃったよ」

「もっつぁがソファー引っかいてたんだよ」

（すまんかったな兄ちゃん、詫びに今度ひさ子になんか持ってこさせるわ）

「よしよし、良い子だな。もうしちゃ駄目だぞ？」

「うちももっつぁの為のとぎ棒買うか」




もっつぁはこのお家にすっかり馴染んでいます。
しかし一人だけ仲良くなれないお兄さんがいました。



このお兄さんです。



（こいつにはあんまり近づかんとこ）

彼のそばを通る時は極力足音も立てません。



「よーしよし良い子だな」

「……」

「お前も触りたいんだろ？触ってみたら？」

「…いや、いい」

（ほんま食えん男やで…）




しかし他のお兄さんはもっつぁとよく遊んでくれます。今だってほら、奥のお兄さんはもっつぁと遊ぶ順番待ちをしているんです。なんということでしょう。



こんな玄関でおしっこをしたって誰も怒りません。なんてったってもっつぁですから。



「にゃー（なあ兄ちゃん、わしロブスター食いたいわ）」



「みゃー（熱帯魚もなかなかうまいんやで）」



「みゃーぅ（百歩譲ってチキンやな）」



「ぅみゃー（兄ちゃん、わしチキンでええで）」

「おっしゃー、みんなサラダできたよー」



「ぅみゃあーおぅ（この際キャットフードでもええわ。なんか食わして。頼む）」



「…あ、洗濯入れてねぇな…」



（もうええわ…誰のか知らんけどこの飯食うたんねん…まるっきりドックフードやけど食うたんねん…）



「おいもっつぁ、そんないつのか分かんねぇ飯食ったら腹壊すぞ？」

「みゃー…（お前らが何にもくれへんからやろ、噛んだろかぼけ）」



「みゃーぅ…（なあ兄ちゃん、ペットに飯やらんかったら罰せられるんとちゃうんか。ひさ子なんかあほみたいにちょっと減ったらすぐ足すんやで）」

「なんだもっつぁ、俺に甘えてくるなんて珍しいな」


もっつぁはこの家のペットではありません。なんとあつかましい猫でしょう。





その頃のひさ子。



「いいなぁ…結婚かぁ…」

一人でラブストーリーを見ています。寂しすぎますね。








（あいつなんであんなとこで寝とんねん。まさかベッドの数足りてへんのとちゃうやろなこの家）

鋭い猫です。



「ほーらもっつぁー！どだ？！楽しいか？！ほれほれ！」

「つかこの猫はいつまでここにいるつもりだよ」

「えーいいじゃん可愛いんだし。大人しいし」

「朝ソファー傷だらけにしたのはどこのどいつだよ」



「…あーくそっ…眠いのに…」

（やっぱりベッド足りひんねんなこの家）

「お前の家はどこなんだよ…」

（兄ちゃんの後ろにあるアホみたいに向日葵さいとる家や）

「あーだめだ、ねみぃ…」


その後このお兄さんも寝てしまい（ソファで）、もっつぁも眠気が限界だったので、先ほど頂いたドックフードの横の犬小屋で一夜を過ごしたのでした。



翌朝ひさ子の元へと帰ったもっつぁ。



（ひゃっはーーー！！！！やっぱこれやでぇ！！！）



（ひさ子がなんか真っ黒なっとるけどわしには関係ない！！！）

ひさ子がどうしてこうなったかはまた別のお話で。





もっつぁのとある一日。おしまい。






（若い兄ちゃん見たいんやったら、わしにまかしとき）





ほんまにグダグダやなｗｗｗ